ローグライクハーフ×ナリク・サイバーパンクの世界観ノート

 

 はじめに、少々ご容赦いただきたいこと:

 この記事は、ローグライクハーフ×サイバーパンクのいちアイデアとして公開するものです。『ナリク・2245(仮)』 という仮題がついています。まだシステムとして未完成であり、つまり遊べるシナリオもございません。ただ作者が世界観に対する先走ったパッションを燃やしたため公開するものです。その点ご了解をお願いいたします。

 [世界観について]

 2245年のラドリド大陸の地図を見た時、あなたはきっと大陸中央部が緑色に染まっていることに驚くだろう。

 緑色に塗りつぶされた土地にはナリク、つまり大陸随一の都市として名を馳せた大国家が沈没している。最盛期には長大な(ロング)ナリクと呼ばれたその領土の九割が、今や森と化しているのだった。

 そもそも中世期以前からナリクは森と戦ってきた。意志を持つように振る舞い、独自の生態系を内包し、ひとたび人間の領土を侵すと決めればナリクの城壁も唯一神への信仰心も役に立たぬ勢いで前進する緑の魔物。それがナリクにおける森の姿である。

 恐るべき森の名を〈かづら森〉という。

 勇敢なナリクの人々は、もちろん指をくわえて見ていた訳では無い。森の力を削ぐために種々の攻撃を加えてきた。例えば原始的には伐採と開墾があり、工業化が進んでからは除草剤の散布を試み、更に軍事技術を活かして無人機から焼夷弾を撃ち込んだこともある。しかし、いずれも人類の敗北に終わった。森は一時的に退いても、必ず逆襲をしてくる。開墾した畑を突き破って人喰い植物が生え、瘴気を放つ新種のツタが知らず街路に忍び込んだ。果ては墜落した無人機をどのように解剖したものか、軍事ネットワークに意味不明な信号を送り込み、空軍基地に甚大なる被害を及ぼしたりする。森を追い出すため、ナリクは独自の電子網を再構築せざるを得なくなった。

 さて一方、ナリク民は諦めたのであろうか。それは違う。彼らには、我こそラドリド大陸最優の国家なりという矜恃がある。現在のナリク民の居住域は平面の地図では分かりづらいので、これを三次元の図にし、横から見ていただくとする。するとあっと驚くような建物が見えるだろう。

 ナリク国土の、人間が辛うじて防衛している一割。そこから天に向かって細長い建物が伸びている。建物の名を通称〈天使の梯子〉。空に届くどころか、成層圏を突き抜けて真空の宇宙に突き出した、ラドリド大陸最高高度の建物である。現在は完全に地上と切り離されても生活可能なように、大規模な宇宙ステーションを建築しているところだ。ヴァロワ王家の御旗の元でナリク民は〈天使の梯子〉に居住し、大陸で最も早く、宇宙空間に活動の場を移しつつある。

 ただし、国土の地面の上に人がいないわけではない。驚異的な森を〈天使の梯子〉に近づけないよう、最終防衛ラインで奮闘する勇士たちが存在するのだ。彼ら彼女らは中世的な名称に従い〈冒険者〉と呼ばれている。ある者は国土を守る使命感から、ある者は森が飲み込んだ財宝を求めて、またある者は森のメカニズムを解明すべく冒険者の道を選ぶ。

 冒険者の活躍の舞台はふたつに大別される。ひとつは物理的な森林空間を探索する「現実森林」でのもの。森の奥には核となる王が存在するとの噂があり、これを討伐することで森の活力を削ぐ期待がかかっている。

 もうひとつは森が独自に構築した電子空間を探索する「仮装森林」でのもの。森が書いたプログラムを探っていけば、文字通り森の根幹に関わる事実が判明するのではという推測により、こちらの攻略も大いに奨励されている。

 [現実森林での冒険概要]

 昔ながらのトレントや動く蔦性植物、そしてトブケールなどの猛獣は健在である。加えて脅威をいや増すのは、森が人類の工学を取り込んだ成果である半機械半生物の〈フォレストモンスター〉が続々と発見されている事だ。脅威のモンスターたちは、人類が森を物理的に攻略する上で大いなる障害となることだろう。

 ただし人類も負けていない。このフォレストモンスター、通称フォレモンたちのプログラムを改変し、人類の味方として調教する〈フォレモントレーナー〉なる職業が確立されようとしている。

 また、森の中には非常に濃いノードがあるようで、現代では廃れがちな魔法も中世期と同様の威力で使用することが可能だ。

 

 [仮想森林での冒険概要]

 かづら森が独自に生成した電子ネットワークの中に入り込んでの活動を、仮想森林での冒険と言う。

 この仮想空間をVRのように変換する技術〈ミノス〉はナリクの総力を上げて開発されたものである。変換された映像は、現実の森林空間にそっくりであったり、中世期の地下迷宮や王城のようであったりと、その時々によって異なる。特に重要なプログラムが走っていると想定される箇所や、バグなどを解析するために、冒険者たちが送り込まれることが多いようだ。

 現実での肉体性能を基本としてトレースし、あたかも実際に運動しているかのように仮装森林を探索する。実際の探索時は専用のチェアに座り、安静にした屋内にて行う。問題はリアルな体験であるがために、仮想森林で受けた肉体的精神的な衝撃もリアルなものと感じられ、そのまま冒険者にとってのダメージとなる点だ。ダメージを受け過ぎれば無論のこと、現実世界での死に繋がる。

 仮想森林は冒険者の侵入を感知すると、即座に妨害を実施するのが普通だ。危険なプログラムを送り込む(これはクリーチャーや罠としてVR空間で表現される)ほか、冒険者を追い出すためのプログラム〈BAN(バン)〉を常に駆動させている。

 〈BAN〉を回避するための対抗プログラムを〈TAIMATSU(タイマツ)〉と呼び、冒険者も有償で手に入れることが出来るので、仮想森林を探索する際は必ず用意すること。

 [ナリク・2245(仮)における特殊職業について]

〖重聖騎士〗副能力値:筋力

 地上の最前線に立つ、勇敢なセルウェー教の騎士たち。ナリクの誇りと言っても過言ではないだろう。

 中世期の騎士に似た鎧や盾などを備えたパワードスーツを着用している。このパワードスーツ〈聖鎧(せいがい)〉は、かづら森に対抗するため最新の素材と技術をふんだんに組み込んで製作されたものだ。森に侵食されないよう全身を覆う〈聖鎧〉は、防弾防刃性能の高い、軽量で頑丈なつくりになっている。セルウェー神への信仰によって生じる神聖力を感知することで、〈聖鎧〉は指先に到るまで繊細に着用者の望む通りの動きを実現する。サイズは様々だが、着用者の体格をひと回り大きくした程度のものが、密生する植物の間で活動する用途では主流になっている。上位の聖騎士であれば、自分専用にチューンアップされた〈聖鎧〉を着用するだろう。

 重聖騎士は剣や槍などの基本的な武器の他、銃器など現代兵器の扱いにも精通している。また〈聖鎧〉の改造によって更なる特殊な能力を手に入れることも可能だ。

 初級技能は聖騎士と同様である。

 タグ【新型兵器】を持つアイテムを装備可能。

〖フォレモントレーナー〗 副能力値:器用

 フォレストモンスターを従える冒険者

 相棒のフォレモンが森林内活動の主役となるため、冒険者自体の戦闘能力は低い(フォレモンへの【指示】のみが技能となる)。

 野生のフォレモンには【捕獲レベル】が設定されており、生命点を半数以下に減らした際に捕獲のチャンスが訪れる。〈捕獲用キューブ〉に設定された捕獲レベル+出目がレベル以上になった場合に捕獲可能である。

 フォレモンを連れ歩くのに必要な従者点は最低で7であり、キューブに格納されたフォレモンは道具袋を1体につき2スペース使うことで持ち歩くことが出来る。

 フォレモンは内包するプログラムの傾向から【赤】【青】【緑】のタグで分類され、三すくみの相性を持つようだ。

【指示】……フォレモンに技を使わせる。副能力値を1消費する。

【入れ替え】……フォレモンは戦闘時以外はいつでも道具袋のキューブに収納された別のフォレモンと入れ替えることが出来るが、戦闘時に入れ替える場合は1ターンを消費して実行しなければならない。

〖フォレストハッカー〗副能力値:魔術

 〈TAIMATSU〉のような対森林プログラムの扱いに長けた人々の総称。仮想森林での冒険に特化する。

 魔法のように見える攻撃プログラムを生成してクリーチャーを退け、〈TAIMATSU〉を制作し、仮想森林を攻略する。

 反面、現実森林での活動には向かないが(多くの特技を使用することが出来ない)、現実森林内には仮想森林へのアクセススポットがあるため、更なる報酬を求めて冒険に加わる場合もある。

 

TAIMATSU生成】……仮想森林からの妨害によって〈TAIMATSU〉が失われることがある。そのような際、フォレストハッカーは副能力値を1消費することで〈TAIMATSU〉を生成することが可能である。

【ダイブ・イン】……現実森林内のアクセスポイントから仮想森林へ接続すること。その後の数パネルは仮想森林内の活動として扱われ、専用のタイルマップが出現する場合がある(※多くはクエストの難易度よりやや高め、報酬多めのハイリスクハイリターンのパネルが出現する)。

 

 [今後の展開]

 と、このような感じでロング・ナリクの未来を舞台にしたサイバーパンクを想像しております。いち早く宇宙進出を果たしたナリクの栄光は、グレート・ナリク星系に繋がっていくはずです。

 特にフォレモン周りのシステムを整備する必要があったり、【奇跡】に対応する職業は作るのか(ナリクなのでセルウェー教の奇跡を地上にもたらさんとする人々かもしれませんが)、などまだまだ基礎部分の工事を実施していきます。

 また、先行してghostwriterさんが発表されているサプリメントとも何とか上手く組み合わせられる手法はないかな、とも知恵を絞りたいところです。

 

note.com

 

 初期シナリオの公開ができるのはいつなのか作者にもよくわかりませんが、フォレモン御三家の構想は考えておりますし、実現に向けて一歩ずつ進んで行きます。少しでも楽しみにお待ちいただければ幸いです。

 ちなみに、まだいらっしゃらないとは思いますが、万が一システム完成前にシナリオを作りたいぜという剛毅な志を持たれた場合は、ご一報いただければ助かります。整合性が取れなくなると世界が破綻する危機が訪れますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、良きローグライクハーフを!